Manchester’s Frozen

Until suicide

FUCK

中3の時の音楽の時間、ギターの授業、何グループかに分かれて1グループごとにギター1本、ぼくはごく自然な流れでカースト最底辺のグループに属した、すると一軍の「俺ギター弾けますよ」と舞い上がっちゃってる、文化祭で弾き語りとかやるような名前書けば受かる偏差値低い地元の商業高校に入るような陸上部幽霊部員人生エンジョイ友達多いやりたいことやりまくってるようなぼくとは何もかもが正反対の奴がぼくらのグループに来て、「ちょっと貸して」といってきて、ぼくらは拒むこともできず、拒否権とか無い感じだったし、ダメなんて言えないわけじゃん、拒んだら殴られるやつじゃん、余談なんだけど、ぼくはそういうの拒むタイプで、それで不良にぶん殴られて泣いてボロボロになった、まあその話は次にする、まあその時は奴隷のように渡したよ、ぼくらカースト最底辺陰キャグループにはノーギター、1軍グループにはツーギター、すぐ返してくれると思ったがなかなか返ってこず、ぼくらは返してくれよなんて言えず、で結局戻って来ぬままタイムアップの笛、その後のことは覚えとらん

 

続いて不良に殴られた話、ワイが通ってたのはもう県内屈指の不良中学だったわけよ、その日は階段の下の方に不良共が集っていて、奴等は降りゆくぼくらに握手を求めていた、前の平凡な生徒達はその握手に応じていた、しかしぼくは不良共に人一倍強い敵愾心を抱いていた、そしてぼくは自分を出さずとも困らない凡百の羊ではなかった、心底憎むそいつらの奴隷には死んでもなりたくなかった、ぼくは握手を拒否した、ぼくは目を合わせず、頑なに手を引っ込め、そして何事も無かったかのように通り過ぎたのだ、その刹那、ぼくの脳天に痺れるような激しい痛みが走った、ぼくのチビのスポーツ刈りの頭は大きな破裂するような音を出した、ぼくは振り返った、ぼくが握手を拒んだ不良がいた、茶髪の舌にピアスが付いている奴だ、そしてその横には生徒会長がいた、生徒会長は何事も無かったかのように連れと話している、ぼくはなんか恥ずかしく、そして混乱と痛みと悔しさ怒り等々様々な感情がごちゃ混ぜになって、痛みはひかず、ぼくは靴を履き替えてサッカー部の部室へ向かい、活動前のランニングをはじめた、その時堪えていた涙がぶわっと溢れ出た、まだ痛かった、痛かった、走った、痛かった、走った、わけもわからず走った、そしてスパイクに履き替えた頃にはもう忘れていた、しかし数年後、この記憶は幾度となく蘇りその度にぼくの心を傷つけるのだ、あの中学は不良共を甘やかすのが伝統だった、ぼくはその度に、柳美里の小説の主人公のように校舎が燃えさかる想像を頭に巡らせた

自分を出さなくても困らない羊、自分を出さなきゃ困るから自分を出す羊、自分を出さなきゃ困るけど自分を出したら痛い目に遭うだけだから堪える羊、これは自分を出さなきゃ困る羊の話だ

 

経験上、不良といえば暴力に関しては容赦ない、もう人間ではない、話など通じない、ぼくは家庭内暴力も経験した、弟は外では絵に書いたようにいい子だったが、家では絵に書いたような内弁慶だった、ぼくは弟にサンドバッグにされた、主に両親不在のタイミングだった、母親はパートに出ていて、標的にされるのはその時間帯だった、ぼくはサンドバッグにされ痣を作り、震えながら母親の帰りを待った、母親が帰ってきた、家庭内暴力漢には「チクったら殺す」と毎度言われるが、殺されてもいいから母親に助けを求めた、殺されることさえも守ってくれると思ったからだ、しかし「現行犯じゃなきゃ叱れない」などと一蹴されて終わった、ぼくは「殺されるだけ」だったのだ、そして最終的には不満を述べるぼくが悪者にされた、声の五月蝿いやつが損をする、そういう世界だった、「音量」だけが問題という異常な、教育上不健全な地獄の家庭環境だった、チンパンジー以下だ、そして仕事から帰ってきた父親にも助けを求めた、しかし「お前らの問題なんだからお前らで話し合え」と一蹴された、父親は口では「あいつをどうにかする」というのだが、実際はこの有様だ、それができたら何も問題は無い起きねぇだろ、もう呆れを通り越して家を燃やしたかった、しつこく迫るぼくは鬱陶しがられ、結局怒鳴られた、そしてぼくが怒鳴り返すと「五月蝿い、近所に聞こえる」と言われた、「じゃあお父さんはどうなんだ」と聞くと「俺はいいんだよ躾だから」と返された、嗚呼、傑作だ、躾!!!!! 万歳!!!!! 神よ!!!!! 躾躾躾っっっ!!!!!!!!

嗚呼なんという無様な生殖、団地住まいの銀行員、幸せか、お前は幸せなのか、幸せとはなんて罪深く薄汚い感じ悪い、FUCK

 

嗚呼夜が明ける、朝に負けた夜が当然のように明ける、平然とした顔で朝がやってくる、所詮夜なんて朝を輝かさせるための滑走路だよ、嗚呼、朝の空は容赦ない、生気に満ちていてぼくを滅入らせる、そしてぼくはそんな朝に溶かされていく、、、問題は先延ばしだ……

 

巡らずにはいられない問いかけを最後に、クズの基準はどこだ、死ぬべき奴は誰だ