Manchester’s Frozen

Until suicide

シークレット

午前の授業が終わった。クラスのぼっち系少年はそそくさとトイレの個室に駆け込むと、陰茎にジップロックを被せ自慰をし、そのまま射精した。そしてその「採取」された精液を、隣のクラスにいる学年で一番可愛い女子のローファーの中に流し込んだ。

その精液入りローファーを連写すると、何事も無かったかのように靴箱に戻し、教室へ戻っていった。

少年は帰りの電車に揺られながら、「ぶっかけ」のハッシュタグとともに「君が可愛すぎるのが悪いんだよ」という一言を添えて当の画像をツイートした。

するとツイートは「ぶっかけ」界隈内で拡散された。足フェチや靴フェチに好評だった。少年は別に足フェチでも靴フェチでもなかった。靴フェチというジャンルがあることに驚いたくらいであった。

 

クラスでも可愛いと評判の少女は自分の太腿や胸を自撮りし、裏垢にツイートした。穿いているパンツの上にチューブ状のハンドクリームを付けてコンドームを添えた写真を撮り、「今から本番だよー!」という一言を添えてツイートした。

少女はオフパコの条件として「先払い」を提示し金を振り込ませ、振り込まれ次第ブロックした。

少女は界隈で「要注意アカウント」として晒され、実名も特定された。

 

クラスの真面目系少年は、以前自分を詬罵したことで睚眥の怨みを抱いているクラスの不良系美少女のインスタグラムの、その中でも一番可愛く映っているプリクラ画像をプリントアウトした。そしてそれにラップをかけて、自分の勃起した陰茎をその上に突き出すと、擦りはじめた。

佳境に入るとカメラの録画ボタンを押した。

少年の怨念じみた精液が彼女の顔じゅうに飛散した。

少年は自分の「ぶっかけ垢」で、そのバーチャル顔射動画をツイートした。

少年は取り憑かれたように彼女の新たな画像をプリントアウトしては「ぶっかけ」動画を撮ってツイートするということを繰り返した。プリントアウトが面倒になると、「ぶっかけ」をするためのタブレットを購入した。少年は「ぶっかけ」界隈の仲間に影響されて、彼女と彼女の彼氏の実名を晒した。

それだけでは飽き足らない少年は「ぶっかけ依頼」のハッシュタグを付けて、彼女の画像で「ぶっかけ」動画を撮ってくれるアカウントを募った。すると30分も経たないうちに、「やりたいです!」というリプライが送られてきた。無論、同じ「ぶっかけ」界隈に属するアカウントからだった。少年はそのアカウントのDMに、「ぶっかけ」をして欲しい彼女の画像を送った。「明日やりますので待っててください」と返信が来た。その日はそれを楽しみに眠りについた。

翌日、そのアカウントは凍結されていた。